「操縦士の飲酒 背景も探って対策を

Last-modified: Thu, 17 Jan 2019 23:38:28 JST (1943d)
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(2019.1.17)
 昨秋、ロンドンで日本航空の副操縦士が泥酔状態で乗務しようとして警察に逮捕され、その後も、航空各社による運航前の自主検査で、体内アルコール濃度が基準を超えるケースが相次いでいるようだ。

 飲酒量や時間についての虚偽報告や、替え玉検査によって、すり抜けた悪質行為も発覚しているそうで、国土交通省は、精密な検知器によるアルコール検査を法令で義務づける方針だそうだ。

 検知器の誤差や、食べ物、洗口液に含まれるアルコール分で引っかかることはないか、寝酒のかわりに睡眠薬などに頼るようになると、かえって危険度が増す恐れがないかなどと、現場には戸惑いもあるそうだが、バスやタクシーの運転手ですでに実施している検査が、なぜ操縦士への適用では問題が発生するのかが理解できず、世界的なパイロット不足など操縦士の特権階級意識が背景にあるのではないかと考えてしまう。

 操縦直前に検査するのは基本的に検査に問題が発生しないという操縦士への信頼を前提としており、その前提がなくなるとすれば、操縦士が検査のタイミングも、バスやタクシーの運転手と同様、出勤時にまず検査から始めるようにし、アルコールが検出された場合に代替策を取れるような時間的余裕を持っておく必要がある。

朝日新聞 社説:「操縦士の飲酒 背景も探って対策を