「新潮45」休刊 あまりに無責任な対応

Last-modified: Thu, 29 Nov 2018 17:04:43 JST (1992d)
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(2018.9.27)
 新潮社が、LGBTの人を「『生産性』がない」と書いた自民党の杉田水脈衆院議員の原稿を8月号に掲載し、批判を浴びると9月18日発売の10月号で「そんなにおかしいか」と題する企画を組み、7人の論考を集め、LGBTの当事者や支援者のほか、作家や文化人、書店などから抗議の声があがり、21日付で佐藤隆信社長が「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた」との声明を出し、おととい、月刊誌「新潮45」の休刊を決めたそうだ。

 LGBTに対する見解は別として、表現の自由はどうなったのかと懸念する。 少数者や弱者への明らかなバッシングは確かに良くないが、事実をたがえず悪意のない意見であれば、基本的に表現は自由ではないか。 「LGBTの人は生産性がない」というのは、適切な表現かどうかは別として、事実を踏まえないものであったり、少数者や弱者へのバッシングとなるのだろうか。

 そのように指摘することこそ、バッシングになっているのではないか。 温暖化や憲法改正などもそうだが、LGBTに対して、過度にはれ物に触るような扱いをして、言葉狩りというか、表現の自由範囲を狭めたりしてるとすれば、このことこそ危険ではないか。

朝日新聞 社説:「「新潮45」休刊 あまりに無責任な対応