もんじゅ廃炉 長く険しい道を着実に

Last-modified: Fri, 28 Dec 2018 23:12:04 JST (1964d)
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(2018.8.31)

もんじゅ廃炉 長く険しい道を着実に(朝日社説:2018.8.31)
 20年あまりの間ほとんど動かず、2016年末に廃炉が決まった日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅの核燃料取出しが始まったそうだ。 廃炉が決まってしまったものに言ってもしようがないが、この手の話にはいつも、なぜ、中止が決まったのかの理由が、何かスッキリしないものがある。

 本来、高速増殖炉が有効な原子力発電であるかどうかで、中止すべきかどうかを判断すべきだ。 確かに、もんじゅは事故が多かったかもしれないが、それが無効であることになるのだろうか。

 一番分からないのが、なぜ経産省ではなく文科省が所管となるのかだ。 文科省より経産省の方がまだましだということもあるが、商用原子炉と研究用原子炉とをを分けるという発想が分からない。 商用と研究用とを両方管轄することによって、研究用から商用へのスムーズな移行が可能となるのは当然として、原子炉の専門家を集約できるし、情報共有もできやすくなるが、省を分けるということは、全くその気がないということに他ならない。

 文科省はもともと、予算だけが欲しくて、専門家集約や情報共有は業者任せで何もする気はなく、最初から、商用化する気などなかったのではと思えてくる。 そのうえに、原子力と言えば、条件反射的に反対し、足を引っ張ろうとするグループが周りにいて、廃炉に追い込んだのではないだろうか。 そのことを織り込んで、商用まで持っていこうという気概が文科省にあったのだろうか。

 つまらない縄張り意識しか持っていない役人と、政府の足を引っ張ることに生きがいを感じている方々によって、日本の発展が抑止されたものの一つに思えてならない。

朝日新聞 社説:「もんじゅ廃炉 長く険しい道を着実に