ゲノムベビー 納得できぬ中国の対応

Last-modified: Fri, 01 Feb 2019 22:20:29 JST (1928d)
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(2019.1.29)
 昨年秋、中国の大学副教授が国際会議で、エイズウイルスに感染しないよう受精卵の遺伝子にゲノム編集を施し、その受精卵から双子が生まれたとし、その研究に、8組の夫婦が協力し、さらにもう1組が妊娠中だと発表し、その真偽を調べていた広東省の調査チームが、内容は事実だと認定したそうだ。

 発表した大学副教授が、どこまで独自の意志で研究し、中国政府の意向にどこまで沿った研究なのかは分からないが、ゲノム編集の技術は、子孫にどのような影響を与えるかが全く分からない人体実験であり、人権保護の立場からも到底許されるものではない。

 国際会議で堂々と発表したのは、中国の技術力を誇示したかったのか、あるいは、さりげなく発表することによって世界の反応を見ようとしたのか、まったく罪悪感がなかったのかいずれかであり、恐らく、人権意識の薄い中国では一般の国々ほどの罪悪感はないのだろう。

 中国は、良しにつけ悪しきにつけ、日本のように世界の目で善悪を認識するのではなく、自身の考えで善悪を認識する国なので、世界がどのように反対しようと必要だと判断すれば、実施するだろう。

 中国の暴走を止める方法として、貿易関税などの経済制裁があるが、中国研究者の中国封じ込めなどの科学技術制裁の強化を検討する必要がある。 将来、恐ろしいオリンピック選手が現れるだけでなく、人とも思えない恐怖のスパイや戦士が高度な武器を持って侵略してくるようになるかもしれない。

朝日新聞 社説:「ゲノムベビー 納得できぬ中国の対応