デジタル課税 新たなルール策定急げ

Last-modified: Thu, 07 Feb 2019 23:03:16 JST (1923d)
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(2019.2.5)
 現在の企業へのルールは、工場や事務所などの恒久的な拠点を置く国や地域で、法人税を納めるのが原則だが、ネット世界で国境を越えて利益をあげるIT企業の場合、ある国の消費者や企業を相手にネット上のビジネスで利益をあげていても、その国に拠点がなければ課税されないこともあり、大手IT企業には、利益を税率の低い国や地域に集めて、税負担を軽くする動きも目に付くそうだ。

 ここで問題点としては、・IT企業の場合は、国境を越えたビジネスが一般的で、ネットでスルーされた国にはまったく税還元がない・IT企業は、それほど地域性に依拠しないので、税率の低い国や地域を選んで拠点を置いて、過度な節税をされるケースが目につく・IT企業は、目に見えないものを扱っているので、モノの動きやお金の動きが外部から把握しずらく課税しにくいの、3つがあるだろう。

 従来の目に見えるモノを扱っている企業の場合は、国単位で企業を構成していることが多かったので、企業単位の課税で良かったのかもしれないが、ネット世界では、国単位の課税を明確に行う必要がでてくる。

 そこで、世界共通税率の国単位売上税を提案する。 売上税率はそれほど大きなものにしなくても良いと思うが、最終顧客が購入した国や所得を得た従業員などが主として働いた国で発生する。 ただし、この売上税は、企業の法人税や従業員の所得税と相殺され、実質的には、その国での売上税が、それぞれの国で支払う法人税や所得税より大きい場合に意味を持ってくることにする。

 これにより、今まで、ビジネスが行われていたにもかかわらず課税できなかった企業や赤字を装っていた企業などに課税されることにする。 また、A国からネットなどでB国企業の仕事を行い、B国企業から報酬を得ようとする場合にもB国で課税されることにする。

 ビットコインの場合は、現金がビットコイン化したり、ビットコインが現金化した国で往復課税する。(二重課税がまずければ、各半分課税にする) ビットコインでの支払いにも課税するのであれば、ビットコインと現金の区別をしないということなので、現金-ビットコイン間の課税はすべきでないが、外貨交換でも課税するのであれば、現金-ビットコイン間も課税対象にすればいいだろう。

 早急に世界共通のルールづくりの議論を各国と急ぐべきであり、一部の反対により世界共通課税に時間が掛かるようであれば、考え方としてEUの方式と近いような気がするので、EUと連携するなどして自国単独でも実施すべきだが、EUにいいようにやられないよう注意すべきだ。

朝日新聞 社説:「デジタル課税 新たなルール策定急げ