トランプ外交 同盟を軽んじる危うさ

Last-modified: Wed, 21 Aug 2019 19:08:40 JST (1728d)
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(2018.7.18)
 欧州は、北大西洋条約機構(NATO)などをキーとしてアメリカと同盟関係を続けてきたが、中国とは一帯一路などをきっかけとして経済協調しようとしており、今度は経済制裁中のロシアからの天然ガス輸入をしたりして、再接近を図ろうとしている。 経済的に疲弊している欧州としては、目前の経済のためには全方位外交するしかないのだろうか。 というより、欧州が一枚岩でないというのが正しい見方なのかもしれない。

 それに対して、米大統領が苦言を呈したくなるのも分からないでもないが、アメリカも目先の通商の利益優先で発言しており、どっちもどっちということか。 ここで、欧州も含めて、押さえておかなければならないことは、冷戦と言われた時代は西側世界(自由主義国)対「東側世界」(共産国)だったが、それが今は「日・米・露・欧」対「中国」に替わっているということだ。

 各国が自国優先で貿易を考えることは、自由主義国としては当然のことだが、自由主義国 対 共産国という冷戦が現在も存在していることを忘れてはいけない。 かって、ソ連は東側だったかもしれないが、クリミア併合などがあったとしても、ロシアを共産国側に追いやってはいけないというのが、「価値観外交」だ。
 欧州の問題点は、欧州連合という、合衆国でもなければ連邦国でもない、中途半端な連合にあるのでは。

朝日新聞 社説:「トランプ外交 同盟を軽んじる危うさ