ドーピング問題 禍根残した処分の解除

Last-modified: Thu, 06 Dec 2018 15:51:57 JST (1985d)
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(2018.9.23)
 ロシアの国家ぐるみによるドーピング問題で、世界反ドーピング機関(WADA)は、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)の資格停止処分を条件つきで解除し、ロシア選手団が国際舞台に全面復帰する道が開かれることになり、日本も賛成票を投じたそうだ。 これによって、スポーツの本質をゆがめたオリンピックになるのではとの懸念があるようだが、オリンピックは以前からスポーツの本質をゆがめられている。

 オリンピックの日程などは、アスリートファーストではなく、スポンサーファーストになっていることは有名だ。 ファンファーストならまだしも、お金ファーストだ。 お金ファーストにもかかわらず、多くの協力者はボランティアと称し、最低の費用で協力させられ、主役のアスリートに対しても恩に着せてメダル他を授与する程度で、賞金は出ない。 開催地の多くは、オリンピック後には借金まみれになるとも言われ、スポンサーから集めた多額のお金はいったいどこに行ってしまうのかと思ったりする。

 オリンピックの開催地はどのようにして決められるのか。 オリンピック以外の世界大会では、直接・間接的に賞金が支払われていると思う。 スポーツの本質を追求しようとすれば、役員ファーストなどではなく、必然的にアスリートファーストになるのではないか。

朝日新聞 社説:「ドーピング問題 禍根残した処分の解除