ノーベル平和賞 性暴力の撲滅へ行動を

Last-modified: Thu, 11 Oct 2018 22:34:33 JST (2041d)
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(2018.10.6)
 犠牲者600万人超ともいわれる内戦のなかで、長年被害女性の治療に尽力して、弱者の救済に半生をかけてきたコンゴ民主共和国の婦人科医デニ・ムクウェゲさんと、イラクの少数派のヤジディ教徒で、過激派組織「イスラム国」(IS)に家族を殺され、自らも「奴隷」とされたが、九死に一生を得た後は果敢に世界に告発を続けたナディア・ムラド・バセ・タハさんに、ともに戦時下の性的虐待と闘う勇気と貢献がたたえられてノーベル平和賞の授与が決まったそうだ。

 今回の受賞者の方の選考に異論があるわけではないが、一般のノーベル賞は研究成果や発表文学などの成果に対して、ある程度時間をおいて評価して授与するが、ノーベル平和賞は、平和への努力に対して授与されるため、その努力の方向が正しいのか、授与に値するほどの努力と言えるのかの疑問が投げられるケースが散見される。

 有名なところでは、口だけで何もしなかったオバマ米大統領(当時)だが、昨年の「核兵器廃絶国際キャンペーン」についても、オバマ大統領ほどではないにせよ、平和に向かっているかは疑問が残る。

 ノーベル平和賞の受賞の有無にかかわらず、日本からも性暴力や人権侵害の撲滅を呼びかけてていきたい。

朝日新聞 社説:「ノーベル平和賞 性暴力の撲滅へ行動を