バチカン 中国の人権に注力を

Last-modified: Thu, 29 Nov 2018 17:19:52 JST (1993d)
Top > バチカン 中国の人権に注力を
(2018.9.26)
 全世界の司教を任命できるのはローマ法王だけというのがバチカンの原則だそうだが、中国が独自に任命した司教7人をバチカンが承認するということで、暫定的に合意すると先週発表されたそうだ。 中国が任命した司教をどのような基準で承認するかが問題だと思うが、無条件承認ということではバチカンの存在意義がない。

 中国では、キリスト教に限らず、チベット仏教やイスラム教への迫害も続いており、中国の宗教弾圧を阻止するような行動をバチカンに取ってほしく、プロテスタント系がどのような経緯で中国の信者が急増しているのかは知らないが、そのようなことに関係なく、バチカンの毅然とした対応が望まれる。

 欧米はキリスト教の布教を足掛かりに侵略してきた過去があるので、中国が慎重になるのは分からないでもないが、バチカンが譲歩しなければならない弱みを中国に握られているのだろうか。 バチカンでの性犯罪容疑などの不祥事が問題になってきているが、ここでバチカンの世界での存在意義を示していただきたい。

朝日新聞 社説:「バチカン 中国の人権に注力を