プラごみ戦略 「大国」に見合う対策を

Last-modified: Fri, 02 Nov 2018 18:31:59 JST (2020d)
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(2018.10.20)
 2030年までにレジ袋やストローといった使い捨てプラスチックの排出量を25%削減し、プラスチック製容器包装の6割をリサイクルや再利用するという数値目標を政府が初めて掲げたそうだ。 EUに振り回されている感があるのはちょっと気になるが、資源の有効利用は重要な課題だ。

 プラスチック排出量削減のアプローチとしては、プラスチック使用量の削減と、プラスチック再利用率の向上がある。 プラスチック使用量の削減としては、消耗品としてのプラスチック製品等の使用を控えるなどプラスチック製品を使わない方法とプラスチック製品をバイオマスプラスチックなど他の原料で代替する方法とがある。

 プラスチック再利用率の向上の課題としては、再利用の仕組みの構築と再利用技術の向上とがある。 石油に頼らず利用後も無害なバイオマスプラスチックの製造技術や従来のプラスチック製品の再利用技術の向上、というか採算ラインにのるような生産性まで国を挙げて持っていく必要がある。

 国および地方自治体は、プラスチックであれ、バイオマスプラスチックであれ大切な資源をゴミとして処理してしまわない資源循環の仕組みと習慣を構築したい。 海に投棄されているプラスチックなどの大量の資源を宝として有効活用できれば最高だ。

 経済産業省などは「向上」という言葉がすきそうだが、環境省は「削減」という言葉が好きそうだ。 プラスチック排出量の削減というより、バイオマスプラスチックの生産性の向上、プラスチック等の資源循環の生産性の向上、バイオマスプラスチック普及拡大を目指したい。

朝日新聞 社説:「プラごみ戦略 「大国」に見合う対策を