中国の司法 弁護士の権利を守れ

Last-modified: Sun, 03 Feb 2019 21:12:04 JST (1926d)
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(2019.2.1)
 中国で、2015年7月9日以降に起きた「709事件」の弾圧では、多数の弁護士らがさまざまな容疑で一斉に拘束され、王全璋弁護士の場合は、3年半にわたり拘束され、懲役4年6カ月という実刑判決が下されたそうだ。

 中国においては、共産党政権を批判する行為と見なされれば、自らが連行されてしまう可能性があり、場合によっては逮捕され刑務所に送られることもあるそうで、捜査当局の調べに違法な行為はないか、容疑者の人権は守られているかなど依頼人がもつ法律上の当然の権利を確認するだけでも、大きな危うさを伴い、弁護士の仕事は極めて過酷なようだ。

 中国を最初に統一したと言われる秦の始皇帝は、法によって人々を厳格に管理する「法家主義」の統治をしたことで知られるが、皇帝自身は常に法の外に存在したそうだが、中国共産党の強調する「法による統治」でも、習近平国家主席たちは法の外なのだろう。

 韓国の場合でもそうだが、このような国では政権が崩れたときに悲惨が待っていることになるので、政権維持は最優先課題となるが、共産主義の問題というより、中国という国の発展レベルの問題なのかもしれない。

 欧米においても、大東亜戦争までは「法の下では誰もが平等だ」と繰り返しながら、他民族を平気で奴隷化した前近代的な時代であり、最期に残された大国の中国に対しても、近代化された国に早期に導いてあげる必要がある。

朝日新聞 社説:「中国の司法 弁護士の権利を守れ