中国経済減速 安定も改革も必要だ

Last-modified: Fri, 25 Jan 2019 21:11:19 JST (1936d)
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(2019.1.22)
 中国の昨年の経済成長率は、四半期ごとに低下し、前年より0.2ポイント悪化した6.6%で、今年の見通しも明るくはないそうだ。 中国は改革開放後、共産党の指導体制を守りながら、徐々に市場経済を採り入れるという、特殊な「社会主義市場経済」であり、いつまでも順調に経済成長するとは思えない。

 無理矢理にでも経済成長を維持できた要因として、「外国企業への技術移転の強要」「知的財産権の侵害」など、日米ではとても許されないようなビジネス手段もあるが、公共投資依存型のケインズ経済が大きく寄与していると思われる。 中国は、もともと一人当り生産額が小さくしかも市場が大きいので、公共投資依存型経済成長を長期にわたって維持することができたが、最近では、アフリカなど開発途上国にまで拡大させた公共投資によって維持してきたが、トランプ米大統領からの攻撃もあったりして、このような手法にもそろそろかげりが出てきたようだ。

 習近平国家主席が、昨年11月、G20首脳会議での講演で「市場化改革を深化させ続け、知的財産権を守り、公平な競争を奨励し、自主的に輸入を増やす」と述べたそうだが、本当に公正な競争をすれば、経済鈍化は免れないとは言え、国内総生産(GDP)2位の中国が、不公正な経済活動を今後も維持するとすれば、いつまでも許すべきではない。

朝日新聞 社説:「中国経済減速 安定も改革も必要だ