中国AI社会 誰のための誰の監視か

Last-modified: Sun, 25 Aug 2019 22:12:45 JST (1724d)
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(2018.7.13)
 知らぬ間に自分が防犯カメラに映っている。 いつ、どこに行ったか、足跡がさまざまな記録に残る。 そんな社会が、今や当たり前になっている。 監視の技術は日進月歩だ。 最近では、人工知能を使った顔認証が世界各地で広まっている。 多数の人々の動向を瞬時にとらえ、当局に伝える。

 人権やプライバシーをめぐる課題もあり、犯罪、テロ防止や利便性とのトレードオフだ。 監視社会というか、政府や役人がどのように悪用するかが問題として発生するが、このようなことがなされないような逆監視システムを構築することと、そのような政府を国民が選ばないように気を付けなければならない。

 政府が軍隊を持つと何を始めるか分からないので、持つべきではない、という発想に似ている。 どのような軍隊を持つかは、周辺国の脅威に対する認識と関連し、自分たちが選んだ政府への信頼と監視が前提である。
 どこまでの監視社会を許すかは、科学技術の進歩を見据えた費用対効果もあるが、犯罪やテロに対するリスクをどのように認識するかの問題だ。
 テロや犯罪の狂暴化への対応もあるが、再犯率の高い犯罪経験者への対応として、人が直接接触しない監視方法は逆にプライバシー保護の観点からも有効だ。

朝日新聞 社説:「中国AI社会 誰のための誰の監視か