免震装置不正 徹底的な解明を急げ

Last-modified: Tue, 23 Oct 2018 23:23:28 JST (2029d)
Top > 免震装置不正 徹底的な解明を急げ
(2018.10.19)
 油圧機器大手のKYBが免震・制振装置の検査データを出荷総数の7割を超える改ざんをしていたと公表したそうだ。 製造業での相次ぐ長年にわたる品質不正の発覚に対し、経団連は昨年末に品質に関わるデータ改ざんなどの不正がないか、会員企業に実態調査を要請したそうだが、KYBは今回の問題を把握できなかったそうだ。

 今回の改ざんは、企業ぐるみのものだったから実態の報告がなされなかったのか、企業のガバナンスが悪かったから実態の認識をできなかったのかは知らないが、大きな犯罪行為として犯人捜しをすべきだ。 これと並行して、改ざん箇所の特定・是正計画・是正を早急に行う必要がある。 KYBの経営状況は知らないが、恐らく再発防止策の検討をしている暇があったら、外部企業の協力を得るなどして、是正処置を急ぐべきだ。 東洋ゴム工業もそうだが、KYBは粉飾決算より遥かに罪が重いことを認識すべきだ。

 戦後日本は「安かろう悪かろう」と言われたが、これではいけないということで日本が競って科学的手法に則った品質改善を行い品質の日本を作り上げてきたが、これもすでに過去の話で、現在はその反動か、品質低下の道を歩こうとしているのだろうか。 高度成長を続けていたころは品質も改善されていたが、バブルと言われたころからか、バブルが崩壊し経済成長が停滞し始めたころからかは知らないが、品質の低下が始まったようだ。

 今、こんなに便利な生活ができているのに、何をそんなにあくせく働く必要があるのかというような風潮があったりするが、経済もそうだが、生産性や品質なども、現状に満足したときからその低下が始まるという。

朝日新聞 社説:「免震装置不正 徹底的な解明を急げ