全国学力調査 子供の役に立ってこそ
個別授業の程度はいろいろだろうが、個別授業をする余力があれば、その余力を一般授業を丁寧に行うなどの方が効果的だ。 個別授業を担任の教師が行うのであれば、教師の負荷が気になるし、別の教師が行うのであれば、その教師が一般授業でサポートすれば、より効果的だと思うが、それができない何らかの規制があるとすれば、その規制こそが問題だ。
自主学習については、家庭での自主的な復習を期待するものだが、成績の悪い生徒は自主学習はしてこないし、成績の良い生徒は塾など自主カリキュラムを持っているので、宿題は少ない方がやりやすいので、割合は不明だが、中程度の生徒にのみ効果があるやり方のようだ。
授業効率を求めるとすれば、生徒のレベルに応じて、クラス替えを行い、それぞれのレベルに応じて、授業なり宿題なりを考えれば、落ちこぼれのフォローはできるし、成績優秀者はもっと伸びることになる。 運動会で、足の速い者は早い者同士、遅い者は遅い者同士で競わせるようなものだ。 学力のみに偏重することはいけないが、教師や生徒を何らかの形で評価することは、日々頑張っている者への励みになり、必要なことだ。 客観的な評価システムはどこであっても必須であり、常に弱者への配慮は必要だが、それを単に重圧とかストレスとか言って反対するのは、怠け者の言い訳だ。
家庭の経済力によって学力に差が生じる理由は、経済力のある家庭の両親は、それなりに努力する習慣や努力の仕方を知っているので、子供にも自然とあるいは意識的に、それが伝わることが多いからである。 経済力があっても、学校の成績に対して努力をおろそかにする家庭では必ずしもそうはならないし、逆に、経済力がなくても、それなりに努力を怠らない両親の子供の多くは、努力することを引き継ぐ。 一般的には、家庭の経済力そのもので、子供の成績の差がつくわけではない。
朝日新聞 社説:「全国学力調査 子供の役に立ってこそ」