出国税 使途の精査を怠るな

Last-modified: Sun, 13 Jan 2019 22:58:57 JST (1948d)
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(2019.1.9)
 「観光先進国の実現」に向けた財源として、国税としては地価税以来、27年ぶりの新税となる、日本から出国する2歳以上の人が1人1千円を負担するという国際観光旅客税(出国税)の徴収が、始まった。 2019年度の予算案では外国人を含め5千万人が出国するとみて、500億円の歳入を見込んでいるそうだ。

 出国税の使途は、「快適な旅行環境の整備」「的確な魅力情報の発信」「観光資源の整備等による満足度向上」の3分野に充当されるそうだ。 出国税がこの3分野に限定されて使われるのかは信用できないし、従来のこの3分野への税金使途分はその他予算から削減されるのだろうか、まさか他の無駄遣いに回されたりしないのだろうか。

 当初社会保障に回すと言っていた消費増税分も、早くも使い切ってしまい、それでも足りないと言っている政府が、出国税を目的の使途に限定して使うとは安易に思えないので、観光庁の予算として分類し、使途を明確化し、海外にも使途や効果を発信できるようにすべきだ。

 一般的に言えることだが、出国税の歳入と歳出がぴたりと合うことは不自然であり、余った税金は次年度に繰り越せるようにすべきだ。

朝日新聞 社説:「出国税 使途の精査を怠るな