千葉・小4死亡 大人がつぶしたSOS

Last-modified: Mon, 04 Feb 2019 21:52:45 JST (1926d)
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(2019.2.2)
 一昨年の11月に学校のアンケートに「家族から暴力を受けている」と助けを求めていた千葉県野田市の小学4年、栗原心愛さんが自宅で亡くなり、父親が傷害容疑で逮捕されたそうだ。

 アンケートを受けて、学校は市に報告し、心愛さんは児童相談所の一時保護を受けたが、学校は昨年1月、これらについて経験豊かな児相などへの連携もせずに、アンケートの内容を父親に伝え、市教育委員会も威圧的な態度に恐怖を感じて要求に屈して、アンケートのコピーを渡してしまったそうだ。

 児相も、心愛さんを一時保護と親族宅での生活を終えて親元に戻った昨年3月以降、学校に任せて、一度も家庭を訪問していなかったそうだ。

 この殺人はどうすれば防げたかは分からないが、いじめ対応の問題点がたくさんある。 子供が勇気を振り絞って助けを求めたのに、学校側や教育委員会側が児相や弁護士に相談もせずに家族側に情報を漏らしてしまったこと。 児相側も学校などに頼って、自らは動こうとはしなかったこと。

 他の報道によると、心愛さんはこの間、学区外転校もしているそうで、これについても情報連携が取られていたのかが危惧される。

 一言で言えば、各組織間での情報連携の不足と各人が自分の担当だとの意識が希薄だったことになると思われるが、これらを彼らに要求することは簡単だが、現実には、彼らがそれをするに当たっての質と量が足りているのだろうか。

 単なる精神論だけではなく、弁護士の配置など、具体的な策を講じる必要がある。

朝日新聞 社説:「千葉・小4死亡 大人がつぶしたSOS