報復関税連鎖 保護主義に歯止めを

Last-modified: Fri, 13 Sep 2019 22:53:10 JST (1704d)
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(2018.7.4)
 米国が安全保障を理由に、鉄鋼・アルミニウム製品への高関税を導入したのを引き金に、貿易摩擦の拡大が止まらない。 世界貿易機関(WTO)を中心に、世界は自由貿易に向かって進んできたが、ここに来てその見直しが迫られてきている。

 欧州連合(EU)は市場統合を行い苦戦しているが、かと言って鎖国が良いわけでもない。 市場統合と鎖国の中庸としての自由貿易があるが、それが完全自由貿易とは必ずしも言えない。 貿易戦争という言葉があるように、国家間には貿易による攻撃があり、その応酬のひとつとして関税がある。 経済戦争下で企業が倒産するのはマクロ経済の活性化と言えるが、地球規模で、国が倒産することは原則あってはならない。

 企業が倒産したときの再雇用システムのような、移民システムが確立しているというなら良いかもしれないが、一種の植民地化や奴隷化があってはならない。 自由貿易は手段であって目的ではない。 国内経済が発展し、国民の幸せになれなければ、意味がない。
 国内経済の発展のためとは言え、他国の知的財産権を侵害するような泥棒行為こそ、WTOで問題にすべきことだ。

朝日新聞 社説:「報復関税連鎖 保護主義に歯止めを