大阪北部地震 災害への備え、点検を

Last-modified: Sun, 05 Jan 2020 11:49:07 JST (1591d)
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(2018.6.19)

 昨日の朝、大阪府北部を中心に関西の広範囲が激しい揺れに見舞われ、最大で震度6弱を記録し、4人が死亡、大勢のけが人が出た。 建物の損壊や火災、停電、水道管の破裂といった被害のほか、鉄道がとまって通勤・通学客が立ち往生するなど、帰宅時まで混乱が続いた。 登校途中の小学生とお年寄りが、崩れてきたブロック塀の下敷きになって亡くなり、駅構内の掲示板の落下が報告された。 地震対策というと建物の耐震補強に関心が集まりがちだが、こうした街なかに潜む危険にも目を向けていく必要性がクローズアップされた。 阪神大震災では、発生しなかった事故というより、そこまで目が回らなかった事故なのだろう。

 東日本大震災のときと同様、ストップした鉄道にかわって自動車で移動しようとする人で、各地に渋滞が相次いだ。 救急車や消防車、警察車両などの通行に支障は生じなかったのだろうか。 「無理に目的地に向かおうとせず、安全な場所で待機する」と言うのは簡単だが、現実には難しい。 企業にとっても、活動をどう継続させるかは危機管理の眼目の一つだが、発災からの時間や状況ごとにあるべき対応が変わり、従業員の安全確保や社会への迷惑回避を事前に明確化することは難しい。

 気象庁は「M6程度の地震は日本全国、いつでも、どこでも発生しうる」と開き直った。 正直な発言である。 今回被害のなかった地域の人は、地震列島に住んでいることを改めて自覚し、地震の備えを見直す機会とすべきだ。

朝日新聞 社説:「大阪北部地震 災害への備え、点検を