大阪教員評価 学力競争の弊害直視を

Last-modified: Sat, 09 Feb 2019 23:39:22 JST (1920d)
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(2019.2.7)
 大阪市の吉村洋文市長が、小中学校ごとのテストの点数アップを競わせた結果で先生を評価し、学校への予算配分などに差をつけるという考えを示してから約半年、市教育委員会が具体的な制度案をまとめたそうだ。

 しかし、学力以外の項目にも配慮するのは当然として、当初の市長構想と違い、直接の評価対象を校長に絞ったそうだが、このような評価がまったく成されていなかったとすれば、大阪市は、今までどんな評価基準で教師は評価されていたのか、不思議だ。

 基本教科について独自テストを行い、各校はあらかじめ、市教委が定めた下限を踏まえて独自の目標値を設定し、達成度を校長の人事評価に組み込んでボーナスの一部に反映させるそうだ。

 ボーナスにしか反映させないのかという疑問も残るが、気になるのは「独自の目標設定」であり、この設定を誰がするのか知らないが、同じ実績でも低く設定すれば高い評価になるということであれば、公平な評価とは言えないので、対前年比などの指標を取り入れる方が良いだろう。

 今まで、評価をされたことも、したこともない方々であれば、最初からうまく機能することは期待できないが、まず隗より始めよということか。

朝日新聞 社説:「大阪教員評価 学力競争の弊害直視を