大飯原発判決 福島の教訓はどこへ

Last-modified: Wed, 21 Aug 2019 19:03:39 JST (1728d)
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(2018.7.18)
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを地元住民らが求めた訴訟で、訴えを退けた名古屋高裁金沢支部の控訴審判決が確定する。原告側が最高裁への上告を断念した。 判断の是非は経済的影響が大きいにもかかわらず、原子力事故に関連する科学的データはほとんどないため、原子力発電是非の判断は非常に難しい。 最高裁が、「司法の役割を超え、立法府や行政府による政治的な判断に委ねられるべきだ」と逃げたくなる気持ちが十分理解できる。

 交通事故の死亡者数は、毎年1万人前後の死亡者を出していて、自動車メーカーをはじめ社会がそれなりの対策を講じ、年々死者数は減少してきて現在は数千人レベルになってきているが、今まで車社会を止めようという話は聞いたことがない。 死亡者の数が普及とともに徐々に増加したからか、一回の事故の死者数が少ないからか、事故の被害状況が目に見えるからか。

 第三者機関の審査というのも、分かりにくい。 第三者機関とは、どちらか一方の意見に偏らない者の集団ということで、必ず反対意見の者がそれなりの人数入っていなければならないとすれば、その反対意見が少数派だった場合は、世論を反映しない機関ということになる。
 国民や政治の冷静な判断が期待される。

朝日新聞 社説:「大飯原発判決 福島の教訓はどこへ