子どもの虐待 残されたノートに誓う

Last-modified: Sun, 19 Jan 2020 15:52:20 JST (1576d)
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(2018.6.9)
 船戸結愛ちゃんが、目黒区で虐待を受け、3月に亡くなった。 香川県からの連絡で、東京の児童相談所もリスクを抱えた家庭であることを把握しており、2月に家庭訪問して様子を確かめようとしたが、本人に会えなかった。 母親の様子から児相と距離を置きたがっていると判断し、関係づくりを優先しようと考えたという。

 香川と東京の児相の間で、どんな引き継ぎがなされ、深刻さはどの程度共有されていたのか。 香川の児相自身には、この深刻さがあったのか。 また、警察とはどう連携をとるべきだったのか。 法律としては、児童福祉法33条により一時保護が可能にはなっている。 しかし、この法律の乱用の課題もあり、児相としても慎重にならざるを得ないのだろう。

 さしあたって児童の保護者に対しては、定期的な児童の開示義務を負わせるのはいかがだろうか。 赤ちゃんに対しては乳幼児健診があり、その後は、幼稚園や保育園への入園がある。 これらのケースで児童が社会から隔離されているような保護者に対しては、児相が追跡し、児童の面会を求め事情を確認するような運用にしてはどうか。

 児童虐待を防ぐには、児相だけでは不可能であり、関連組織および関係自治体が協力しあって児童およびその保護者を守ってあげる必要がある。 国や自治体は、保育園等の確保など課題が山積しているようだが、児相の業務は多忙なようであり児相の仕組みや増員などの強化も推し進めていただきたい。 必要に応じて保護者の育児の自由よりも、優先させて臨むことになろうが、育児は保護者が責任をもって行うものであり、社会が行うものではないことに留意しないと、社会主義化してくる危険性がある。

朝日新聞 社説:「子どもの虐待 残されたノートに誓う