子ども哲学 対話が未来をひらく

Last-modified: Fri, 04 Jan 2019 13:18:41 JST (1957d)
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(2018.8.27)
 学校や公民館、図書館、美術館、カフェ、書店などで、子どもたちが10人ほどで車座になり、暮らしの中から自ら問いを立て、順にボールを回すなどしながら自由に語り合う「哲学対話」と呼ばれる試みが広がっているそうだ。 正解はないし、それを求めるのが目的ではなく、友達の話にゆっくり耳を傾け、自分の言葉で自由に語り、批判は大いに結構だが、人格攻撃はいけないのだという。 日本でこのようなことが気軽にできるようになれば素晴らしいことだ。

 対人関係などで困難を抱える高校生も取り組んでいるようだが、この「哲学対話」で自由に本音を話しても何ら人格攻撃されなかったとして、「哲学対話」が終わった後も絶対に人格攻撃されないという保証があるのだろうか。 みんなと同調できない生徒が陰でいじめにあうという話を聞いたりするが、そのため、多くの生徒は同調できるふりをしなければいけなくなっているとか。 仮に、そのような環境下で「哲学対話」を行っても、怖くて本音を話せないか、勇気を出して話しても、いじめられるだけではないだろうか。

 まず恐れるのは、反対意見を言っただけで、先生から人格攻撃と指摘されて、排除といういじめを受ける可能性があることだ。 憲法9条改正と言っただけで、好戦的だと非難されるような社会で、このようないじめが簡単になくなるとは思えない。

朝日新聞 社説:「子ども哲学 対話が未来をひらく