安倍政権2018年 政治責任とらぬ悪例残す

Last-modified: Sun, 06 Jan 2019 22:52:47 JST (1954d)
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(2018.12.30)
 今年、財務省による組織的な公文書の改ざんと廃棄が発覚したが、安倍首相や麻生太郎財務相はどこまで財務省の改革ができたのか。

■麻生財務相の居座り
 新たな大臣を持ってきたからといって、新たな問題が発生しないという保証はないこともあるが、恐らく安倍首相は麻生財務相に依頼しないと政権運営ができないのだろう。 安倍首相や麻生財務相が素晴らしい政治家だというより、入れ替われる人材が育っていないのだろう。 不祥事があったからといって、まともな後任もいないのに、簡単に辞任させられないことこそが安倍政権の問題かもしれない。

■問われる閣僚の資質
 大臣のレベルが低いから官僚が緩むのか、官僚のレベルが低いから大臣が謝り続けなければならないのか。 どちらかと言えば前者だと思われるが、官僚がミスを犯しても責任を取るのは官僚のしっぽと大臣だけだ。

 これだけの不祥事を起こしながらも、財務省は力を温存し、消費増税を強行する手綱を緩めようとしない。 官僚が幅を利かす国家は、国家主席によって管理されている某国より悪い社会主義国だ。 官僚改革ができる政府や政治家は現れないものだろうか。

■42年前の警句いまも
 42年前のロッキード事件の際に、疑惑をもたれながら刑事責任までは問えない「灰色高官」が話題になったそうだが、疑わしきは罰せられるのが政治の世界のようで、そのようなことばかり繰り返すことによって、総理大臣が毎年変わったりして日本の総理は世界から軽く見られてきた。

 不祥事をいくら起こしても反省もしないような政治家も困るが、ちょっとした疑惑で辞任しなければならないのも問題で、その中庸をとるのは難しい。

朝日新聞 社説:「安倍政権2018年 政治責任とらぬ悪例残す