安田さん解放 シリアの現実に思いを

Last-modified: Mon, 05 Nov 2018 23:43:00 JST (2017d)
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(2018.10.26)
 内戦下のシリアで2015年6月に行方不明になり、3年4カ月にわたりイスラム過激派組織に拘束されていたフリージャーナリストの安田純平さんが解放され、帰国した。 まずは、安田さんが無事に戻れたことを心から喜びたい。

 日本にいても拉致されたり事故死したりすることがあるとは言え、命の危険リスクが明らかに高い紛争地に入り、そこに生きる人びとの声を報じるのはジャーナリストの重要な責務かもしれないが、人道支援にあたる国際機関やNPOのメンバーも同様だが、これだけのリスクを負ってまで紛争地に入る必要があるのだろうか。

 軍人などと同様、命の危険を恐れていては、自らのミッションを果たせないということなのかもしれないが、無事に保護できた日本政府などの労をねぎらうことはあっても、安田さんを称える気にはなれない。

 日本政府の対応と解放に至った経緯に、我々は関心がないわけではないが、それらの公開は必要最小限でよく、国民に対しての今後の対応に必要なことは説明する必要があるだろうが、詳細については、政府内での今後の対応策などにしっかりと活かしてくれればそれでよい。

朝日新聞 社説:「安田さん解放 シリアの現実に思いを