官房長官会見 「質問」は何のためか

Last-modified: Sun, 24 Feb 2019 22:23:42 JST (1905d)
Top > 官房長官会見 「質問」は何のためか
(2019.2.22)
 政府は、首相官邸で行われている官房長官会見における東京新聞の特定の記者の質問を問題視して、官邸側の質問を制限するような内閣記者会への申し入れは、報道機関への不当な介入や知る権利の侵害にはあたらないとする答弁書を閣議決定したそうだ。

 新聞労連、民放労連、出版労連などでつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」が答弁書の撤回を求める声明を出し、意に沿わない記者を排除する「権力者によるハラスメント」と批判したそうだが、この件について、労働組合がコメントすること自体も意味不明だが、国民の「知る権利」を振りかざして、何でも「権力者によるハラスメント」だとするのは、記者の行為は何でもありだと言わんばかりの「逆ハラスメント」ではないだろうか。

 東京新聞の記者はどれだけの読者を背景に「記者は国民の代表として質問に臨んでいる」と叫んでいるのかは知らないが、官邸側は「国民に選ばれた多数党の国会議員」であり、東京新聞の見解はとても民主主義を理解しているとは思えないだけでなく、人間としても謙虚さや質問者への尊敬の念が足りているとは思えない。 仮に「記者が国民の代表として質問に臨んでいる」との自覚が本当にあるのなら、もう少し、社員教育が必要というか、礼節をわきまえた質問をすべきだ。

朝日新聞 社説:「官房長官会見 「質問」は何のためか