官民ファンド 政策目的、常に確認を

Last-modified: Sat, 17 Nov 2018 23:30:15 JST (2004d)
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(2018.11.9)
 「長期・大規模の成長投資を中心にしたリスクマネーの供給」を掲げる産業革新投資機構(JIC)が、9月に発足したそうだ。 日本でまとまった額を投じる民間の出し手が育っていない分野に、政府のカネを元手に、民間資金も呼び込んで投資するのだそうだ。

 これがうまくいけば、日本経済への貢献が著しく、JICに利益が出れば、政府にも配当などのリターンがあるのだろうが、そううまくいくのであれば、何も官民ファンドである必要はないだろうし、政府の意向が影響しにくい仕組みになっているのだから、国策と連動させるわけでもないようだ。

 JICの経営陣の手腕に疑問があると言いたいわけではないが、悪く言えば、JICは税金で博打を打てる機構だということであり、民業圧迫というか、税金を使うからには国の政策に沿ってほしいし、国から独立して活動したいのであれば税金を使うべきではないのでは。

 政府がそのような資金を投入するというのであれば、例えば、大学や研究機関などが事業に参画しやすいような環境を提供するなど、政府にしかできない規制緩和や税金の使い方を考えてほしい。

朝日新聞 社説:「官民ファンド 政策目的、常に確認を