就活ルール 学生へのしわ寄せ防げ

Last-modified: Wed, 17 Oct 2018 22:36:31 JST (2035d)
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(2018.10.12)
 経団連が、企業の6割超が面接解禁日を守っておらず、形骸化が進んでいた新卒学生の就職活動の日程を申し合わせたルールの撤廃を決めたそうだ。 一気に自由化すれば、学生にも企業側にも混乱が起きるのは必至であり、政府が主導して新たなルールを決めるという。

 企業にベースアップのお願いをしたり、新卒採用のルール決めをしたり、最近の安倍政権は、労働組合化しており、アベノミクスの第三の矢を規制緩和とは逆の方向に狙いを定めているようである。

 新卒学生の就活制限は、単に新卒採用活動のルール撤廃にとどまった話ではなく、新卒の通年採用化と中途採用との差別撤廃を目指しており、採用の自由化であり、場合によっては、終身雇用制度の崩壊から人事・給与制度の改革につながる可能性があり、本来真っ先に主導すべき官僚が最も遅れている制度だ。

 交渉力の弱い学生が不利かどうかは分からないが、仮にそうだとしても、就職活動が学校の成績の悪い者が不利になる制度よりもまともな制度のような気がする。 中小企業に不利かどうかも分からないが、仮にそうだとしても、弱者救済の問題は別として、それが経済原理というものだ。

 「勉学より就活」というが、学生は何のために学校で勉学をするのかの問題だが、学者になりたいのであれば別だが、基本的には社会で働くことが目的で勉強しているのだから、仮に「勉学より就活」になったとしてもそれ自体問題ではない。

 極論を言えば、就職先がよければの話だが、就職が決まれば、そのまま中退して就職しても問題なく、学歴重視の時代は終焉し、大学や高校は、就職が決まるまでの場所に変わってしまい、一番改革が迫られるのは大学や高校かもしれない。 大学や高校だけが教育現場ではなく、仮に大学や高校の空洞化が発生したとしても、それ自体で国民の教育レベルが落ちることにはならない。

朝日新聞 社説:「就活ルール 学生へのしわ寄せ防げ