戦争発言再び 議員居座りは許されぬ

Last-modified: Thu, 05 Sep 2019 21:43:59 JST (1697d)
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(2019.9.3)
 NHKから国民を守る党(N国)の丸山衆院議員が先月末、韓国の国会議員団の竹島上陸に関連して、自身のツイッターに「戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」と投稿し、「朝鮮半島有事時を含め、自衛隊が出動し、不法占拠者を追い出すことを含めたあらゆる選択肢を排除すべきではないのでは?」とつぶやいたことが、問題になっているようだ。 手段の是非はともかく、北方領土問題や竹島問題の戦争による解決を選択肢の一つとして検討することすら、いけないというのは一種の思考停止だ。 当然のことながら、このような発言によって全会一致の「糾弾決議」を受けるなどということは、自由主義国家ではあってはならないことだ。

 憲法9条が武力による国際紛争の解決を認めていないことが背景の一つになっているようだが、例えば、尖閣諸島や沖縄本島が、他国の軍隊により占領されてしまった場合、それを武力で取り返すことをしてはいけないということなのだろうか。 憲法9条は、他国から攻撃を受けた後でないと反撃できないと解釈する者もいるようだが、このことと合わせて考えると、攻撃を受けてから侵略されるまでの、わずかな期間しか反撃できないということになり、事実上侵略されたら諦めろ、何を言われても侵略されないよう周辺国に頭を下げ続けろと言っているようなもので、独立国であることを放棄するような思想だ。

 戦争で解決する方法が適切かどうかは分からないが、国会だけでなく、日頃、言論の自由を訴えているはずのマスコミまでが、この言論を封殺しようとしていることに、この国の危険を感じる。 韓国の無理難題の要求には話し合いで解決しようと言い、わが国の国会議員の意見には耳も傾けるなと主張するものがいるとすれば、韓国の回し者としか思えず、とても日本人の発言とは思えない。

朝日新聞 社説:「戦争発言再び 議員居座りは許されぬ