新宿区のデモ 一律規制は許されない

Last-modified: Sat, 14 Sep 2019 11:28:50 JST (1704d)
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(2018.6.30)
 東京都新宿区が、街頭デモの出発地として使用を認める区立公園を、これまでの4カ所から1カ所に限ることを決めた。 区役所内部だけの検討で「学校や商店街に近接していない」という条件を追加することにして、区議会に事後報告した。 日頃からデモには関心がなく、生活環境重視のタイプで、行政の仕組みも分かっていないので、この件の問題点がよく理解できていない。

 区議会は、事後報告されたら、承認するしかなく、行政に対して差し戻しできないのだろうか。 少なくとも、ヘイトスピーチ対策というのは、きっかけとしてはあるかもしれないが、制限理由にはならない。 問題点は、四つの公園が必要で、一つでは足りにということか、それとも、第三者機関の意見を聞くなど、規制の過程に問題があるというのか。

 第三者機関の意見を聞いて同様の結論が出ても、あの第三者機関は認められないとかいう議論に転化していくのはよくあるパターンだ。 有識者でつくる第三者機関に聞くことは良いとして、この結論を絶対視するのではなく、区議会で審議して決めるのが、あるべき姿なのだろう。 行政を批判するというより、区議会が行政任せにするのではなく、毅然とした対応をすれば問題ないことでは。

朝日新聞 社説:「新宿区のデモ 一律規制は許されない