日ロ首脳会談 誇張排し冷徹な視座を

Last-modified: Fri, 21 Dec 2018 13:28:25 JST (1971d)
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(2018.9.12)
 安倍首相は、総裁選の最中に、プーチン大統領と通算22回目の会談をし、「我々の新しいアプローチは日ロの協力の姿を確実に変化させている」と語ったそうだが、交渉は滞り続け、北方四島での共同経済活動を実現させる明確な道筋は開けているとは思えない。 難しい交渉だとは思うが、進展のない会談をただ数をこなすことだけが目的化していないか。

 ロシアが、択捉、国後の両島に地対艦ミサイルを配備したり、4年ごとに行われてきた演習に中国軍を参加させたりすることは、進展というより後退と言えるのではないか。 安倍首相は、ただアメリカにも良い顔をし、ロシアにも良い顔をしようとする、八方美人外交をしているだけの最悪の外交をしているような気がするが、ロシアから期待されているのは、共同経済活動だけでなく、ロシアをアメリカに取り持つこともあるのではないか。

 アメリカに言うべきことは言い、ロシアにも言うべきことは言えることが、本当の信頼される外交だ。 アメリカはもちろんロシアも、日本だけでなく世界にとっても重要な国であり、政府の今後の外交に期待する。

朝日新聞 社説:「6年ぶりの総裁選び 「安倍1強」を総括する時
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