日中平和友好 40年 主体的外交を練る契機に

Last-modified: Fri, 02 Nov 2018 18:46:37 JST (2020d)
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(2018.10.22)
 さきの大戦と中国の革命を経て、1972年に日中両国が国交を正常化し、1978年に両国間の恒久的な平和友好を明記した条約が結ばれたが、今後、日本はこの隣国とどう付き合っていくべきだろうか。

■隣り合う異質の国情
 1972年の正常化当時外相だった大平元首相は「日本と中国とは大みそかと元旦のような関係ではないか」と語っていたそうだ。 最近必ずしもそうではなくなってきているかもしれないが、たった1日しか違わないにも拘らず、大みそかと正月では人々の気持ちや街の景色もがらりと変わることを指して、隣国ながら大きな相違点があることを表現したかったのだろうか。

 中国と日本の国境に日付変更線があるとすれば、日本が大みそかのときは中国は元旦ということになるが、中国の政治・軍事は、共産主義と侵略を未だに続けようとしている過去の国だが、経済は無謀運転ではと思える急成長を続けて日本に迫ってきている。 日本は、この迷惑な国とは言え、隣人としてそれなりに仲良く接して行く必要があるので、一定の距離を置きながら、礼節をもって、毅然とした対応を取ったお付き合いをしていく必要があるだろう。

■重層的な関係を築く
 8年間、口先だけで何ら世界貢献をせず、中国や北朝鮮の横暴などを黙認してきたオバマ大統領から、中国や北朝鮮に対して毅然と対応するトランプ大統領に変わり、遅まきながら中国や北朝鮮の横暴にブレーキが掛けられようとしており、日本も米国とともに、この変化に対応していく必要がある。

 地球温暖化防止などで日本を攻撃しているなか、最悪環境の中国には寛容だったEUが、「一帯一路」構想ではようやく中国の問題点に気付いてきたようだが、隣国の日本としては、「一帯一路」構想などの中国の問題点を世界に示していく発信力と対抗する構想力が求められる。

■交流を支える政治を
 共産主義の政治と発展途上大国の問題大有りの中国だが、「抗日教育」を受けているだけで、ほとんどの国民は悪い人ではないので、国に対しては「嫌中」を保持しつつも、個々の中国民に対しては「嫌中」を示すべきではない。 ただ、訪中(在中)においては、共産主義国であることを忘れてはいけないし、日本をよく知らない中国人が「抗日教育」を受けて日本を誤解している可能性があることも忘れてはいけない。

 国家間の対応は基本的には、相互の国の国益の調整ではあるが、単なる利益本位の短期的合理性だけで対応するのではなく、相互政府の政治信条を基本として対応すべきだ。

朝日新聞 社説:「日中平和友好 40年 主体的外交を練る契機に