日米貿易協議 公正・自由の原則守れ

Last-modified: Tue, 22 Jan 2019 21:24:07 JST (1938d)
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(2018.8.14)
 日米の閣僚級による新しい貿易協議の初会合が開かれ、米国は自由貿易協定(FTA)を念頭に二国間交渉を求め、対する日本は、来年にも発効する環太平洋経済連携協定(TPP)が日米双方にとって最善だと訴え、通商をめぐる両国間の溝は埋まらなかった。 日本が米国にTPP参加を求めることは良いが、米国は二国間交渉に持ち込みたくてTPP不参加を決めたのだから、そこで決着するはずがない。

 年間1千億ドルに満たない貿易収支がアメリカにとって度を過ぎた貿易不均衡かどうかは知らないが、相手の国、特にアメリカの立場に立てば、度を過ぎた恒常的な「貿易不均衡」は、いかなる理由があれすべきでなかった。

 他国に言われての貿易不均衡の是正では、中長期的に自国経済に不利益をもたらす恐れがあるので、犠牲になる業界の方には申し訳ないが、他国に言われる前に日本として、どの業界を押してどの業界を引くかの長期戦略を立て、政府は貿易不均衡の是正を図る必要がある。 世界貿易機関(WTO)改革などの国際ルールづくりも必要だが、WTOやTPPで貿易不均衡が是正されるわけではないし、外圧を利用しての経済改革もそろそろ止めにしたいものだ。

朝日新聞 社説:「日米貿易協議 公正・自由の原則守れ