日米首脳会談 米国頼みを脱する時だ

Last-modified: Sun, 19 Jan 2020 16:01:19 JST (1576d)
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(2018.6.9)
 安倍首相が4月に続いて再び訪米し、トランプ大統領と会談した。安倍政権は、米国と緊密な連携をし、北朝鮮の脅威を煽り、金正恩委員長をようやく国外に引っ張り出すことに成功した。 日本政府は、「対話のための対話は意味がない」と北朝鮮への「最大限の圧力」をと厳しい態度を示したことも功を奏して、米国政府への会談に導かれた。

 日本の厳しい対応と米国が会談のハードルを下げたことによる、双方の絶妙な連携がこの歴史的な米朝会談に導いたのだと推察する。 頭に乗ってきた北朝鮮に対する会談中止発表というお灸に対しても、日本政府はいち早く「支持する」とその理解を示し、米朝会談の復活に対しても「会談の実現を強く期待している」と表明している。 お互いの信頼と連携がないと、こうはならないだろう。 まず米朝会談を開かなければ、前に進まない。 だからと言って、会談が目的化されても困る。 この前準備が、歯がゆいが、あの国に対しては重要である。

 会談に際して、トランプ大統領はあの金正恩委員長に対して何をどのように迫るのだろうか。 日本政府は、中国や韓国に乗せられることなく、決して焦らず、今まで通りの厳しい態度で、準備万端、じっくりと北朝鮮の会談申し入れを待てばよい。

 核はおろか、攻撃兵器を一切持てない日本としては、米国を頼るしかない。 トランプ大統領が、兵器拡充を求めているこの機会こそが、自ら他国と交渉できるような軍備を持てるチャンスである。
 軍備のない国には交渉権がないことを北朝鮮が示してくれた。

朝日新聞 社説:「日米首脳会談 米国頼みを脱する時だ