明治150年 議論重んじた先人たち

Last-modified: Fri, 02 Nov 2018 18:40:10 JST (2019d)
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(2018.10.21)
 政府がかかげるキャッチフレーズ「明治の精神に学び、更に飛躍する国へ」として、明治維新150年を祝う式典が明後日東京で開かれるそうだ。 今、我々は明治に学ぼうとすることは大切なことだとは思うが、何を学ぶべきかが問題だ。

 明治政府をつくるときは、日本全体に、江戸時代のやり方を変えようとしない多数派の守旧派と、新しい欧米型の政府をつくろうとする少数派の改革派が存在していたと推察されるので、現在のように全国民の意見を取り入れるということはしなかったと思われ、今の日本が学ぶべき点ではない。

 学ぶべきは、欧米に追い付き追い越せと現状に満足せずに改革を断行していったハングリーさだ。 今の多くの日本人は、現状に満足し、可もなく不可もなく、国としても人としても、新たな目標を見失っているように見える。

朝日新聞 社説:「明治150年 議論重んじた先人たち