昭和天皇の言葉 改めて大戦考える機に

Last-modified: Wed, 21 Aug 2019 21:58:57 JST (1712d)
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(2019.8.21)
 田島宮内庁長官が、終戦後の昭和天皇とのやり取りを克明に記した文書を残していた内容の一部をNHKが公開したそうだ。 なぜこのタイミングで、なぜNHKなのかということもあるが、なぜ一部のみの公開なのだろうか。 大量の文書のためだとは思うが、何らかの意図があるのではないかと邪推したりもしたくなる。

 反省・悔恨についてや、植民地支配についても話そうとされていたようだが、誰が悪いかは別にして、まず「ごめんなさい」から始める日本人の気質としては十分理解できるが、こと外交という立場から考えると、何も言わなくても、感謝のかけらもなく、難癖をつけてくる近隣国を見るにつけ、天皇陛下が頭を下げられなかったことはよかったと思う。

 再軍備について、田島氏がいさめたとあるが、首相との協議というならまだ分かるが、宮内庁長官ごときがお考えを黙殺するなどもってのほかだ。 その時に、自衛隊のままではなく、軍隊に替わっていれば、周辺国からの脅威も軽減され、もう少し平和な日々を送られただろうし、沖縄県なども在日米軍で悩まされることもなかったかもしれない。

 マッカーサー新憲法により政治的権能をもたない「象徴」と位置づけられたことに対し、自らがどう振る舞うべきかを悩まれたそうだが、ここでも宮内庁長官周辺が発言をいさめるようなことで、現在のような一般国民と違ってまったく発言権ももたず、ただ詫びることしかできない陛下になられてしまわれたのだろうか。

朝日新聞 社説:「昭和天皇の言葉 改めて大戦考える機に