本庶さん受賞 基礎の大切さ示す快挙

Last-modified: Mon, 08 Oct 2018 22:29:35 JST (2045d)
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 外科手術、抗がん剤、放射線という従来のがん治療法に加え、「免疫療法」という新たな道を切り開いたことが評価され、京都大特別教授の本庶佑さんに今年のノーベル医学生理学賞が贈られることになったそうだ。 本庶さんがホームページで公開している「独創的研究への近道:オンリーワンをめざせ」と題したエッセーからは、研究者のあるべき姿というか、人のあるべき姿が示されている。

 最近は、できれば儲かる職業に就くこと、なるべく人気の職業に就くこと、少しでも楽に収入を得られる職業に就くことが、良い職業とされている風潮がある。 しかし、周りに合わせたり、周りの評価を気にしたりするのではなく、それぞれが生きがいを感じる職業につくことが大事なことであり、結果としてオンリーワンになるのだと思う。

 ブラック企業という言葉が良く叫ばれたりするが、真のブラック企業は確かに存在するとは思うが、多くの場合は生きがいを求めるのではなく、楽に収入を得ようとした結果、周りを気にしてばかりいて、生きがいもなく仕事をすることによって、ストレスが溜まるというようなことが根底にあったりしていないだろうか。 自分の趣味の延長で大した才能や努力もなく職業に就かれても困るが、やりたくもないことを会社のためにすることによって給与を貰えると考えられても悲しい。

 本庶さんは、好奇心と簡単に信じないことをモットーとし、自分の頭で考えて納得し、確信できるまで実行することが重要だとし、受賞決定後の記者会見でも、「賞はそれぞれの団体が独自の価値基準で決めるものであり、(受賞まで)長いとか待ったとか、感じていない」そうだ。 しっかりとした自分の軸を持って、周りの評価に左右されない方だ。

朝日新聞 社説:「本庶さん受賞 基礎の大切さ示す快挙