核廃絶と日本 「橋渡し」とは言えない

Last-modified: Wed, 28 Nov 2018 22:44:30 JST (1994d)
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(2018.11.19)
 今月初め、軍縮を協議する国連総会第1委員会で、2017年7月に国連で採択された核兵器禁止条約の署名・批准を求める決議案と、日本政府が主導した核兵器廃絶の決議案という、核を巡る二つの決議案が採決されたそうだ。 日本は、核兵器廃絶を推進し、核兵器禁止条約には反対したことになる。

 非常に分かりにくいかもしれないが、核兵器を日本における拳銃と思えばよい。 日本では、拳銃の所持は禁止されており、所持しているだけで罰せられるが、法を守らせるはずの警察官は堂々と拳銃を所持している。

 核兵器廃絶の決議は、日本で拳銃の所持を禁止するという法律に相当する。 核兵器禁止条約の反対は、警察も含めたすべての国民に拳銃の所持を許可しない法に相当し、仮に、この法律が成立すれば、日本は無法国家になってしまうので、賛同するわけにはいかない。 なぜか、この簡単な理屈に賛同しない、無責任とも思える集団が日本の一部にいるようだ。

 全国民の拳銃不所持に賛成する者がいるとすれば、これから秘かに銀行強盗などを企んでいる者ぐらいだ。 日本は被爆国として、今後このような被害を出さないためにも、無法地帯化を促す核兵器禁止条約を締結すべきではない。

朝日新聞 社説:「核廃絶と日本 「橋渡し」とは言えない