核禁条約1年 被爆国から声をさらに

Last-modified: Wed, 28 Aug 2019 22:17:32 JST (1720d)
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(2018.7.8)
 核兵器の開発、保有、使用などを、幅広く法的に禁じる核兵器禁止条約が国連で採択されて、7日で1年がすぎた。 米ロ両国を中心とする核保有国による削減が遅々として進まないなかで、国連加盟国の約3分の2が賛同した核禁条約を、どう核廃絶につなげていくか。

 唯一の戦争被爆国である日本が先頭に立って核禁を訴えることができるテーマだと思うが、米・中・露・朝という、多くの隣国が核を保持している現状において、日本が被爆国だという理由で真っ先に核開発を放棄しなければならないという論理が全く理解できない。

 一度殺傷事件を起こしたクラスがあったとして、これからはクラスに刃物を持参することは禁止しようとクラスに訴えるところまでは理解できるが、周りの席のみんなが刃物を持ってきている現状で、前回唯一刃物で刺された者だからこそ刃物を持って行ってはいけないと親や兄弟から言われているようなものである。 クラス全員が刃物を持ってこないようにしてもくれないのに、刺された者だから刃物を持っていくなとだけ言うのは、事の是非はともかく、話の論理がまったくできていない。

 それほど核禁を訴えたいという正義感があるのであれば、現在核を保有している国々に出向き、核放棄を訴えてきて、最後に日本政府にその旨を報告がてら核禁を訴えるべきだ。 まず近隣の中国や北朝鮮から回れば良いだろう。 それすらしない者に、核禁を政府に訴える資格はない。

 全自治体の約2割の地方議会が、核禁条約の調印を求める意見書を全会一致で可決したそうだが、地方議会の使命をどう考えているのかと驚く。 国民のひとりとして、核禁条約の調印を求めたいのであれば、政府に意見書を出すことは良いと思うが、地方議会としてすることではないことも分からない地方議員がたくさんいることに驚いた。

朝日新聞 社説:「核禁条約1年 被爆国から声をさらに