殺人ロボット 拘束力ある規制めざせ

Last-modified: Mon, 08 Apr 2019 22:42:09 JST (1862d)
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(2019.3.29)
 人工知能(AI)を備え、人間の関与なしに敵を攻撃する自律型致死兵器システム(LAWS)について、どのような法的拘束力のある規制をすべきかの国際会議が、スイス・ジュネーブで開かれているそうだ。 米国、中国、ロシア、韓国、イスラエルなどがすでにLAWSの開発中のようであり、日本がリーダーシップを取ってLAWSのあり方の方向付けをしようとすることは重要なことかもしれないが、だからと言って、LAWSの開発を日本だけは行わないというのでは、世界に後れを取ってしまう。

 自律型致死兵器と言っても、自律型とはどこまでを言うのか、致死兵器の範囲はどこまでを言うのかというのは、まるであいまいであり、技術の進歩によって時代と共に変化していくと思われるので、簡単にルール化できるものでもなく、その間に速いスピードでLAWS開発がなされていくと思われるので、日本だけが取り残される可能性が十分にある。

 火薬や核技術などと同様、LAWSも世界から完全になくすことはできないだろうし、平和利用と兵器利用とでは、それほど必要技術が異なるわけではなく、兵器につながる研究をしてはいけないと規制することによって、平和利用もできなくなり、日本だけが世界の先端技術から取り残されていく可能性は十分にある。
 かって、日本はロボット先進国と言われていたが、いつのまにか、ロボット後進国になっていたということにはなってほしくない。

朝日新聞 社説:「殺人ロボット 拘束力ある規制めざせ