気候サミット 若者の怒り受け止めよ

Last-modified: Wed, 02 Oct 2019 22:18:01 JST (1670d)
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(2019.9.25)
 地球温暖化対策の国際ルール・パリ協定のスタートを2020年に控え、国連で、グテーレス国連事務総長が「我々は気候非常事態との競争に負けつつあるが、勝つことはできる」と訴え、気候行動サミットが開かれたそうだ。 パリ協定は、産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑えることを目指しているが、すでに気温は1度ほど上がっており、2030年代に上昇幅が1.5度に達する勢いで、今世紀末の気温上昇は3度を超すそうだ。

 気温上昇だけが原因かどうかは知らないが、昨今の異常気象や自然災害が、経済や社会に深刻な打撃を及ぼしているといえる。 今回のサミットでスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)は「若者はあなたたちの裏切りに気づき始めている。 もし私たちを見捨てる道を選ぶなら、絶対に許さない」と各国代表に訴えたそうだ。 発言の意図の詳細は分からないし、誰がどのように発言しようと当人の自由だが、ことさら十代の発言を大げさにとらえるのには疑念を感じる。

 今後も発生するであろう、異常気象や自然災害に対して、大人は被害の最小限化を図るなり、気象変動への新たな適応策を考えようということは理解できるとして、それを、温室効果ガスや石炭火力発電所の削減につなげようとするのはあまりにも論理が飛躍していないか。
(温暖化と食糧 「緑」と「農」の調和こそ(2019.8.22))
 子供を使って、社会不安を煽るようなことは止めるべきだ。 地球というか自然を、人間がコントロールしようとする傲慢な考えを捨て、冷静で謙虚な議論を期待する。

朝日新聞 社説:「気候サミット 若者の怒り受け止めよ