気候変動対策 「適応」の中身が肝心だ

Last-modified: Sun, 30 Dec 2018 21:08:53 JST (1962d)
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(2018.12.21)
 地球温暖化による自然災害の被害などを減らすための気候変動適応法が今月、施行されたそうだ。 温室効果ガスが大気温を上昇させる原因であり、この削減をしなければならないという気候変動会議には賛同しかねるが、これからの気候変動への適応は、費用対効果が疑問視される温室効果ガス削減策より、よほど重要な課題だ。
(気候変動会議 「魂」あるパリ協定に(2018.12.18))

 気候変動会議が、地球の何億年何万年間の気候を調べて、どのような根拠で、地球温暖化の原因が温室効果ガスだと判断したのかは知らないが、過去三十年平均とは著しく違う異常気象だと言って右往左往するのではなく、数十年から百年レベルでのマクロ気候予測をすることによって、気象予報システムを強化し、それに応じた農作物や災害対策などを前向きに検討しておき、経済政策にも反映させることは重要な課題だ。

 農作物に関しては、単に高温耐性の農作物の品種開発というネガティブな課題だけでなく、北海道での農作物の種類の拡大や増産、九州・四国地域での熱帯性の果物などの生産など、従来できなかった新たな農業改革が可能になる。 漁業についても、同様のことが言えるかもしれない。
 北方四島返還についても、温暖化が進む前に速やかに交渉を終え、返還後に温暖化を迎えるのが良いと考える。

朝日新聞 社説:「気候変動対策 「適応」の中身が肝心だ