沖縄県民投票 国のあり方考える機に

Last-modified: Sat, 16 Feb 2019 10:12:41 JST (1914d)
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(2019.2.15)
 米軍普天間飛行場を移設するために辺野古の海を埋め立てることの賛否を、県民に直接問う、沖縄県民投票が告示された。

 辺野古の海への埋め立ての賛否を県民に投票してもらうことの意味もよく分からないが、その賛否の選択肢に「どちらでもない」もあるそうだが、県民投票の意味というか、目的がますます分からなくなってきて、県民投票自体が目的化しているのではと言いたくなる。

 日本人の性格として、一般に「どちらでもない」という選択肢を選ぶ傾向があり、アンケートの主旨が希薄化してしまうので、「やや~」などという選択肢をつくるなどして、「どちらでもない」という選択肢をできるだけつくらないということが、一般のアンケート調査の注意点として言われる。

 今回の県民投票の場合は、投票の目的は「反対」を主長することにあるようなので、反対派は明確に「反対票」を投じるだろうが、そうでない一般の多くの県民は「どちらでもない票」を投じる可能性が高く、「賛成票」が極端に少なくなることが予想される。

 「どちらでもない票」というのは、「やや反対」なのか、「やや賛成」なのかが分かりにくいというか、投票の目的が「反対」の主張ということを考慮すると、「どちらでもない票」は、投票拒否と同様、県民投票そのものに反対という意味にも取れる。

 県民投票が告示されてしまった現状では、沖縄県民には、どちらに投票するにしても、雰囲気に流されることなく冷静な判断による投票行動をとっていただきたい。

朝日新聞 社説:「沖縄県民投票 国のあり方考える機に