沖縄県民投票 結果に真摯に向きあえ

Last-modified: Tue, 26 Feb 2019 21:46:44 JST (1904d)
Top > 沖縄県民投票 結果に真摯に向きあえ
(2019.2.25)
 米軍普天間飛行場を移設するために辺野古の海を埋め立てることの賛否を問うた24日の沖縄県の県民投票結果は、投票率は50%超、反対票は70%超、賛成は20%弱、どちらでもないが10%弱であり、「反対」が全有権者の4分の1を超えたため(3分の1超)、県民投票条例に基づき、結果は日米両政府に通知され、玉城知事はこれを尊重する義務を負うことになるようだ。

 国の専権事項である外交・安全保障は県民投票にそぐわないが、「反対」が全有権者の4分の1超という結果を聞いて、県民投票条例の投票結果の尊重義務を「全有権者の4分の1超えの反対」と設定したのは誰か知らないが、この方の読みの深さに驚いた。

 実施する前から分かっていたこととは言え、県民投票結果をどのように理解するかは難しいが、70%超の反対と言えば圧倒的な反対だが、「反対票」を投じた人は全有権者のわずか3分の1超であり、積極的な賛成か、どうかは別として、そうしなかった人が、3分の2弱もいたということでもあり、賛成派の多くが投票反対派であり、賛成投票への運動をほとんどしてこなかったことを考慮すると、かなり微妙な投票結果だ。

 70%超の反対の背景もそれぞれで、米軍の駐留に反対する人、米軍であれ、自衛隊であれ、それらすべてに反対する人、沖縄県内への移転に反対する人、普天間移出に反対する人、辺野古が適地でないと反対する人、環境破壊に反対する人、政府のやり方に反対する人、何となく反対の人など、いろんな背景がありそうだ。

 外交・安全保障案件についての県民投票は意味がないことは事実であり、普天間問題の早期解決の必要性もあるが、政府はこの機会に、辺野古地区への工事計画を見直すことも必要かもしれない。

朝日新聞 社説:「沖縄県民投票 結果に真摯に向きあえ」、「辺野古移設 計画の破綻は明らかだ