海賊版対策 過剰な規制が生む弊害

Last-modified: Mon, 11 Feb 2019 22:22:30 JST (1918d)
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(2019.2.10)
 コピーや保存が簡単にできるデジタル時代に、「著作物の保護」と「利用の自由」をどう両立させるかということについて、拙速に走らず、目配りのきいた議論は必要で、インターネット上の漫画などの海賊版対策を話し合ってきた文化審議会の小委員会が、報告書をまとめ、政府は今国会に著作権法の改正案を提出する方針だという。

 デジタル情報を簡単にコピーできないようにすることが、どれほど難しい技術なのかは分からないので、発言の権利がないような気がするが、仮に、簡単にコピーできないようにできる技術があるのであればその技術を、ないのであれば、その技術を至急開発して、インターネット上などで、一般に使用できるようにできないのだろうか。

 デジタル情報には、許された人しか参照できない情報と誰もが参照できる情報が現在でも一般的に普及しているが、それとは別に、現状の簡単にコピーができる情報の他に、コピーができない情報開示の技術をつくれないものだろうか。 例えば、表示画面の作成は現状のHTMLを踏襲した原語で作成できるが、画面表示は一枚の写真画像のような表示の仕方をする「コピー不可モード」を付加するようなイメージだ。

 著作権を主張したい情報は、「コピー不可モード」で開示するようにすればよい。 最近の学生は、インターネト上の情報を簡単に「コピペ」すると言われたりしたが、これでも書き写すことはできるが、簡単に「コピペ」はできなくなる。 それでも、他人の著作物を無断で掲載した者に対しては、厳しい罰を与えればよい。 「コピペ」ができることがデジタル時代の良いところだと主張したい人は、現状通りの「コピー可モード」で開示すれば良いだけだ。

朝日新聞 社説:「海賊版対策 過剰な規制が生む弊害