米朝首脳会談 実質交渉を仕切り直せ

Last-modified: Fri, 01 Mar 2019 23:03:55 JST (1900d)
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(2019.3.1)
 始めから予想されていたと言ってしまえばそれまでだが、ベトナムで開かれた2回目の米朝首脳会談は、北朝鮮側が一部の施設の見返りに制裁の解除を要求するという無謀な条件を出して、会談は決裂した。

 事務方に地道な交渉をさせて形だけの対談を行って締結するという通常の交渉をせず、お互い有能な国のトップとして相手に敬意を払い、トップ同士の直接交渉で決着をつけようとしたトランプ大統領に対し、金正恩委員長は大した準備も行わず、楽観的にトランプ氏との交渉に臨んだ結果だ。 適当に非核化の振りをしていれば、トランプ氏が能天気に経済制裁解除などをしてくれるだろうと、高をくくっていたようだが、トランプ氏としては、非核化が遅れて困るのは北朝鮮だということを改めて認識して、出直して来いということなのだろう。 自身が人質になって非核化を迫られなかっただけ感謝すべきだ。

 金正恩氏は、まず中国や韓国など、隣国の出方を見るだろうが、トランプ氏が優しく親和的に接してもらえているうちに、目に見える実体として非核化行動をトランプ氏に見せなければ、自身の安泰はないということに早く気づく必要がある。 トランプ氏は急がないと言っているようだが、金正恩氏は、トランプ氏がどんなに待ってくれるとしても、トランプ大統領の任期終了前に決着をつける必要があることは認識しておく必要があるだろう。 米朝会談の結果を見るための、米中通商協議の期限延期であり、トランプ氏は、中国や韓国などの北朝鮮への闇経済援助に対して、今後、より強硬な対応を取ってくることになるだろう。
(米中通商協議 不毛な消耗戦はやめよ(2019.2.27))

 勝手な想像だが、北朝鮮が本当に人道支援としての一部経済制裁解除を望むのであれば、日本と拉致被害者問題という人道問題を解決することによって、日本から見返りをもらえと言ってくれているかもしれない。

朝日新聞 社説:「米朝首脳会談 実質交渉を仕切り直せ