米韓演習中止 信頼醸成を交渉の礎に

Last-modified: Sun, 05 Jan 2020 12:06:51 JST (1591d)
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(2018.6.17)
 「北朝鮮との非核化交渉中は、米韓合同軍事演習を中止する」を受け、米政府は8月に予定されていた定例の米韓演習を中止する方針だという。 この事案は、同盟国である日本や、当事者である韓国と、十分な調整を事前に行った形跡がなく、日韓両政府内に困惑が広がったと思われる。

 在韓米軍は北朝鮮と向き合う最前線であり、対中国でも重要な役割を担う。 練度を高め、有事の即応力を維持するために演習は重要だが、約束してしまったのであれば、その前提で今後の方針を考えるしかない。 北朝鮮の非核化と朝鮮半島の平和体制の構築という難事業に対し、カ国の足並みが乱れれば北朝鮮につけいる隙を与えるだけである。 日米韓の緊密な連携なしに実現は難しい。 今後、北朝鮮の動向に少しでも疑念が生じた場合は、その警告として米韓合同軍事演習を再開すればよい。 場合によっては、日本の自衛隊も参加すればよいかもしれない。

 日米韓外相会談を足場に、3カ国による工程表の具体化を急ぐべきだ。 ロシアにも協力を要請するなど、日本も主体的に関わってほしい。 かって、中国を中心にした6者協議でこのような事態を招いた。 アメリカを中心とした協議で、今度こそ失敗は許されない。

朝日新聞 社説:「米韓演習中止 信頼醸成を交渉の礎に