自殺調査メモ 隠蔽の罪深さ自覚せよ

Last-modified: Sun, 05 Jan 2020 11:52:48 JST (1591d)
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(2018.6.18)

 2016年秋、神戸市の市立中学校に通う女子生徒が自殺した問題で、神戸市が再調査に乗り出す。 自殺直後に中学校の教員らが生徒と面談し、いじめをうかがわせる聞き取りのメモを作っていたのに、市教育委員会の担当者が主導してメモの隠蔽を指示し、当時の校長も従った。 自殺を受けて設置された外部有識者による調査委員会は昨年夏の報告書で「メモは破棄された」としたが、後任の現校長がメモの存在を把握し、市教委に報告し、隠蔽が発覚した。

 どこかで聞いたような話だ。 ここでも、公文書の取り扱いがでたらめだ。 公文書の破棄がこんなに簡単になされて良いのか。 担当者の指示で校長が従ったというのは、どのような力関係だったのか。

 文科省のいじめ調査に関するガイドラインがあるというが、いじめに真摯に向き合わなければ、空念仏でしかない。 メモが公開されても、のり弁メモが公開されるだけだったかもしれない。 死者が出ても、いじめには警察は関与できないのか。 よほどのことがなければ、刑事事件にはできないとすれば、民事で被害者家族はどう戦ったらよいのか。

朝日新聞 社説:「自殺調査メモ 隠蔽の罪深さ自覚せよ