自衛官募集 改憲の理由にはならぬ

Last-modified: Thu, 14 Feb 2019 21:10:25 JST (1916d)
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(2019.2.14)
 安倍首相は、自衛官募集に自治体の協力が得られないから、憲法9条に自衛隊の明記が必要だ――、と言っているようだ。 防衛省は採用活動に役立てるため、対象に、住所、氏名、生年月日、性別の情報を提供するよう自治体に要請しているが、個人情報保護の観点かどうか知らないが、半分以上の自治体が住民基本台帳の閲覧や書き写しに止めているという。

 国が、自治体にお願いしないと住民基本台帳の必要な情報をダウンロードできないという仕組みにも驚くが、それに協力できないという自治体があるのも驚く。 憲法9条に自衛隊を明記しなければ、自治体の協力を得られないと首相に思わせるほど、自治体の国防意識が希薄だとすれば情けない話だ。 各省庁の中には、国会は二の次で、自分たちのことを最優先に考えている者もいるようだが、自治体にも自分たちを最優先に考え、国防はどうでもよいと考える自治体職員がいるようだ。

 改憲論議さえまともにできないような国では、このようなどこの国の自治体職員か分からないような者がいても仕方がないということか。 長期政権と言われながら大した実績もない安倍首相には、憲法改正か憲法刷新かは別として、憲法改悪は困るが、まずは実施してほしいものだ。

朝日新聞 社説:「自衛官募集 改憲の理由にはならぬ