財務次官人事 これで刷新できるのか

Last-modified: Mon, 04 Mar 2019 08:11:48 JST (1898d)
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(2018.7.28)
 前任者がセクハラ問題で辞任し、3カ月の空席が続いていた財務省の新しい事務次官に、森友学園との国有地取引について、昨年の通常国会で、当時理財局長だった佐川宣寿氏のうその答弁に合わせるように公文書が破棄や改ざんをされたが、当時、官房長として文書管理や国会対応の責任者だった岡本薫明氏が、主計局長から昇格して任命された。 麻生財務相はきのうの会見で、「一連の問題を真摯に反省し、信頼回復に向けて再生に取り組むのにふさわしい人材を配置した」と強調したそうだ。

 「真摯な反省」は当然のこととして、どのような改善策を講じようとしているのかは知らないが、敗者復活のない組織も困りものとしても復活が早すぎないか。 麻生氏と安倍官邸は一時、別の人事も検討したそうだが、罪を犯しても何ら罰せられることもなく、結局、官邸が官僚の言いなりの人事を行っているとすれば、重大な問題だ。 財務省において、これだけの問題が山積しているなか、本来辞めるべき責任者の麻生氏が財務相の職にとどまっているにもかかわらず、財務相が財務官僚の言いなりになっているようでは麻生氏である意味がない。

 官僚との癒着を排し、罰するべき官僚を罰し、官僚の人事権を大臣に取り戻すことから、官僚組織の改革を始めていただきたい。 安倍政権は、長期政権だが、安定政権ではないので難しいのか。

朝日新聞 社説:「財務次官人事 これで刷新できるのか